トライアスロンの大会で出会ったあるママとの出来事を書いていたら、色んな思い出がどっとよみがえってきました。
なので今回は、2022年に夫が初めてChallenge Rothに出場した時のことを、今だからこそ言える「家族サイドの裏レース」として綴ってみたいと思います。
トライアスロン=出場している人だけの戦いじゃない!
Challenge Rothは、スイム3.8km・バイク180km・ラン42.2kmのフルディスタンス・トライアスロン。
世界有数の過酷な大会です。
でもね、選手だけが挑戦しているわけじゃないんです。
我が家がこの日挑んだのは…
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夫:本大会の参加者
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私:家族応援部門ソロ出場(+荷物係・スケジュール管理・安全管理・感情マネージャー)
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息子(当時4歳):パパを応援したい!ゴールは一緒にしたいと気合い十分
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息子(当時2歳):なんだかわからず連れまわされる(笑)
…そう、まさに家族全員の一大イベントなんです。
朝4時、まだ暗いうちから“スタート地点”へ
会場から1時間もかからない場所に住んでいる我が家は、前泊せず家から向かう派。
でもスイムのスタートは早朝。車を停めたり準備する時間も考えて、たぶん朝4時過ぎには出発。
つまり…
この瞬間に子どもたちも一度起こす=一日のリズムは崩壊決定!
夫のスタートが6時でも、私のレースはこの瞬間にスタートしてるってこと。
荷物をまとめ、子どもたちをなだめ、まだ寝ぼけ眼のままスタート地点へ。
そして夫はスタートへ。私は変な時間に起こされた子どもたちとその時までひたすら待ちます。
スイムのゴール=私たちの第2ステージ開始!
スイムは川を泳ぐコースなので、横をひたすら歩いて応援。子どもの足でも泳いでいる人のスピードにはついていけるので、一生懸命応援していました。
そして夫がスイムを終えた瞬間、今度は子どもたちを抱えて車に飛び乗り、自転車パートの応援スポットへ急行!
…のはずが、なぜか道を間違え、レースの混雑にハマり動けず。
一時的な通行止め、ナビも混乱、知らない村の名前が書かれた看板にパニック。
このエリアに越してきてまだ1年だった私にとっては、迂回路に知らない街の名前が書かれいても、それが目的地方面なのかもわからず、もう地図が読めないどころの話じゃなくて泣きそうになってたよ。
それでも、普段は車じゃな寝ない長男までもが奇跡的に同時に寝てくれたおかげで、たまたま通り過ぎた警官に落ち着いて道を聞けて脱出できました。
一瞬のために準備するのが応援の現実
なんとか応援ポイントに到着。
でもね、トライアスロンのバイクって一瞬で通り過ぎるだよね。
なのにその横で「パパいつくるの?」「まだー?」「あ、なにかこぼれた」って…
いや、もうすぐ来るから!とにかくみてて!!って必死。
夫を見逃さないように集中しつつ、子どもたちがバイクの前に飛び出さないように注意しつつ、さらには機嫌・食欲などもコントロール。
もし息子たちが目を離した隙にパパが通り過ぎちゃったら、「みたかった〜」ってそれはそれで大騒ぎになるのも目に見えてるし。
「はぁ。応援のためのモチベーション維持」も、めちゃくちゃ大変。っていうのが本音。笑
マラソンのゴールで、ついに“クライマックス”
半日以上かけてレースに挑んでいる夫。そして私はこどもたちを引き連れ、最後はゴールのあるRothの町へまた移動。
でもこの時間帯、町中は人と車で大混雑。そりゃ、みんなゴールに集まるよね。
駐車場がまったく見つからず、マラソンコースになってるからあちこち通行止め。
街の至る駐車場になんとか停められないかと探してみたんだけど、どこも満車。停められずに出てきた立体駐車場の出口の風景は、昨日のことのように思い出せます。
なんとなく想定はしていたんだけど、結局見つけたのはゴールから遠い場所。ただ想定外だったのはまさかの時間帯にまたもや寝てしまった子どもたち。兄をベビーカーに乗せ、下の子を抱え、荷物は背負い、走ってゴールアリーナへダッシュ。
で、到着して言われたのは…
「ベビーカーは中に入れません」
はい、さらなる想定外きました。まぁでもそうだよね。
その場でベビーカーを停められる場所を探し、寝てる子を抱きかかえて突き進む。
「パパとゴールしたい!」と訴えていた長男を起こすも、夕方って起こすの難しいんだよね。
なんとか励まし、いよいよ近づいてきた夫に託したよ。
あの時、ゴールの周りにはバリケードが張り巡らされてて、そのバリケードをどうやって息子に越えさせたのか…実は今も記憶がありません。
たぶん周りの方が手伝ってくれたんだと思います。
この記事を書きながら色々と記憶を整理してたんだけど「あの時の私、ちゃんとお礼言えたかな…」なんて思い出してしまい実はちょっとだけゾワゾワしています。(あの時助けてくれた方、本当にありがとう!!)
ということで、ついに、長男はパパと一緒にゴールラインを走る夢を叶えました。
私も、腕も足も心も、完全に限界。
でも終わった瞬間は、「私もこの一日をゴールしたんだ」とホッとした気持ちになりました。
応援だって、トライアスロン級
スポーツの大会って、表側に立つ選手だけじゃなく、
その裏で応援している家族も、それぞれのフィールドで戦ってるよね。
笑顔で応援して、励まして…
でもその裏では、
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睡眠不足
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大量の荷物
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グズリ&イヤイヤ
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トイレタイミングとの戦い
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空腹と疲労と感動
- 移動トラブル
- タイムマネージメント
すべてがいっぺんにやってきて、ジェットコースターのような一日。
最後に
今もあの光景を思い出すたびに、笑えて、泣けてきます。
あの時の自分、「本当によくやった」、ってちょっとだけ3年前よりは先輩になった自分を褒めてあげたいなって思えました。
そして今、同じように誰かを応援しているママ・パパを見かけたら、
そっと「あなたもお疲れさま」と声をかけたくなります。
あの時の私も、きっとそうしてほしかったんだと思う。
ママだって、パパだって、サポートする側も本当にすごい。
ひとりで背負わなくていい。
頼って、笑って、時には休んで。
そして大きな拍手を、家族全員に👏
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